金属屋根(ガルバ二ウム鋼板)で建物を軽量化に出来ることを知っていますか?

こんにちは、株式会社狩野建築です。

今回ご紹介させて頂くのは、川崎市宮前区にお住いのT様邸の屋根工事の工事概要をご紹介したいと思います。

施工前(セメント瓦)

施工後(金属屋根)セランビー220

コストパフォーマンスに優れた稲垣商事株式会社の平葺きの屋根材です

 

 

セメント瓦とは

高度経済成長期に広く使われてた、セメント系の瓦屋根の事です。

見た目は陶器瓦と似ていますが、セメント瓦は瓦の表面がざらざらしているのが特徴です。

セメント瓦のデメリット

①雨水などの水分を吸収する耐久性が低い

②経年でコケや色あせをする

③アスベストが入っている恐れがある。

屋根の葺き替え工事とは

屋根の葺き替え工事は大きく分けカラーベスト(コロニアル)葺きと金属屋根(ガルバ二ウム鋼板)葺きとあります。

新規に瓦屋根を葺くケースもありますが、工事自体少ない為、ご説明は省かせて頂きます。

①カラーベスト屋根(コロニアル)

カラーベスト(コロニアル)を葺き替える場合、現状の屋根が瓦屋根又はコロニアル屋根が多いです。

カラーベスト(コロニアル)の施工方法は既存の瓦・カラーベスト(コロニアル)を剥がし野地合板(厚み12㎜のラーチ合板)

を張り、ルーフィング(防水シート)を貼り仕上げ材にコロニアルを張ります。

野地合板を張ることにより、屋根自体の強度も高まります。

②金属屋根(ガルバ二ウム鋼板)

金属屋根の場合、現状の屋根が瓦屋根又はコロニアル屋根を葺き替えることが出来ます。

瓦屋根の場合、既存の瓦を剥がし、野地合板(厚み12㎜のラーチ合板)を張り、ルーフィング(防水シート)を貼り仕上げ材に

金属屋根(ガルバ二ウム鋼板)を張ります。

カラーベスト(コロニアル)も瓦屋根と同様の工事は出来ますが、カラーベスト(コロニアル)の場合、2004年くらいまでに

カラーベスト(コロニアル)を葺いた建物にはアスベストが含まれている場合が多いので、処分費などの費用も加算され高額に

なります。その為、弊社は金属屋根のカバー工法をお勧めしております。

カバー工法とは

カバー工法とは、現状のカラーベスト(コロニアル)屋根を剥がさず、棟包みや隅包みなどだけ撤去してルーフィング(防水シート)を貼り

金属屋根(ガルバ二ウム鋼板)を葺く工法です。

現在はカバー工法での工事が最も多いです。

人により上から被せるのには抵抗のある方も多いと思いますが、現状の屋根の上に屋根を被せるのですから雨漏りの心配も少なく、

費用も安くすみます。

 

川崎市宮前区のT様のご依頼は瓦屋根で屋根自体の重さを軽くしたいということから始まりました。

最初の御見積りはカラーベスト(コロニアル)の葺き替えと、金属屋根(ガルバ二ウム鋼板)の葺き替えの2パターンの御見積りを作成し

T様に御見せしたところ、金属屋根(ガルバ二ウム鋼板)での工事に決まりました。

今回はセメント瓦なので、カバー工法は施工不可能の為、瓦の撤去からの作業になります。

屋根葺き替え工事の流れ

①御近隣の挨拶回り

*屋根葺き替え工事の場合(特に瓦屋根の場合)ホコリ等が飛び散る場合があるので、建物周辺にお住まいの方には

必ず事前にご挨拶をします。

②足場工事

*安全対策の為、足場は必須です。

*ホコリ等も飛ぶので必ずメッシュシートを貼ります。

③セメント瓦の撤去

セメント瓦を剥がして下におろす作業をします。

④瓦桟の撤去

瓦桟とはセメント瓦を引掛けてビスなどで止める瓦を固定するための土台の事です。

昔は軒先とか風などで飛ばされやすいカ所にしか釘で固定してませんでした。

⑤屋根の掃除

瓦屋根の場合、土葺きといい棟や隅木などの瓦を固定するために用いた工法なので瓦を撤去すると

大量の土が出ます。

これらを土のう袋に詰め、屋根の上から降ろします。

最後に屋根の上を掃除しますが、この時のホコリが出るので静かに屋根の上をほうきで掃きます。

⑥野地板張り

昔の屋根は杉板の野地板を使用しているケースが多いです。

屋根自体の強度を高める為、弊社では12㎜のラーチ合板を使用します。

野地板張りは基本的には現状の野地板に重ね張りをします。

⑦ルーフィング貼り

ルーフィングとは屋根の防水シートの事です。

⑧金属瓦(ガルバ二ウム鋼板)葺き

防水シートを貼り終えたらいよいよ仕上げ工事にかかります。

作業の流れは以上です。

これから川崎市宮前区のT様邸の工事概要のご説明を致します。

 

既存セメント瓦屋根

既存セメント瓦屋根

 

撤去作業にかかる前の屋根の状況

 

撤去作業中の様子

撤去作業中の様子

セメント瓦の撤去作業中の様子です。

今回は4人での作業になります。

瓦を一枚一枚剥がし、下に落ちないよう気を付けて重ねてまとめます。

ある程度瓦がまとまったら専用の荷揚げ機で瓦をおろします。

瓦の形状にもよりますが、なるべく無駄のなく積まないと瓦が落ちる危険性があるので、あまり載せすぎないようにします。

瓦の撤去が終わりましたら、今度は瓦桟を撤去します。

写真でもわかると思いますが、土が屋根の上にあります。この土は隅木と棟を固定していた土葺きの土です。

この土は瓦桟撤去後掃除をしますが、気を付けてほうきで掃かないとホコリが舞い御近隣にご迷惑をかけるので、

掃除も慎重に行やなくてはなりません。

 

            野地板張り

           厚み12㎜のラーチ合板使用

 

 

セメント瓦・瓦桟・土などを専用の荷揚げ機で降ろし、

既存の野地板の状態にします。

*野地板とはセメント瓦の屋根の下に張ってある板の事です。

 建物を建てた年数や仕様により無垢の杉板が野地板の場合もあれば、合板が野地板の場合もあります。

 今回の場合は無垢の杉板が張ってありました。

屋根のリフォームの場合、既存の野地板の上から重ね張りすることが、多いです。

一般的に使用される野地板材は、ラーチ合板といい針葉樹合板が使われます。

ラーチ合板は屋根や壁・床の下地などに使われ、加工も安易に出来る建材の一つです。

ルーフィング貼り

ルーフィング貼り

 

野地合板を張り終えたら、防水シート(ルーフィング)を貼ります。

ここまでの作業は、雨仕舞のため一日で完了するよう予定を組まなくてはなりません。

万が一終わらない場合、ブルーシートなどで屋根を覆い雨仕舞をすることは出来ますが、

ブルーシートの上は滑りやすく、危険性もありしかも翌日の朝からシート剥がしにかかるので

作業時間のロスのことも考え、ここまでの作業は一日で終わらせたいものです。

防水シート(ルーフィング)を貼るときに気をつけることは、軒先部分のルーフィングは固定しないことです。

なぜかというと、唐草という板金をルーフィング(防水シート)を貼る前に軒先に付けなくてはなりません。

その理由は雨水は上から落ちてくるので、唐草をルーフィング(防水シート)の上から取り付けると雨漏りの原因に

なるからです。

しかし、屋根の葺き替え工事は勿論、新築住宅などでも雨仕舞を最優先する為、先にルーフィング(防水シート)を貼ることが

多いので、あとから唐草がルーフィング(防水シート)の下に入るような施工をする必要性があります。

唐草とは

唐草とは、建物を上空から見て屋根の外周部を囲うように軒先やケラバに設定されている板金の事です。

 

唐草の役割

唐草は軒先から落ちた雨水を雨樋に誘導し、建物全体を雨水から守ってくれるという役割を果たす重要な役物です。

 

唐草の呼び名の由来

昔の屋根は軒先の瓦に唐草模様を付ける習慣があり、唐草と呼ばれるようになりました。

 

金属屋根(ガルバ二ウム鋼板)施工中

棟包み板金・隅包み板金施工中

 

いよいよ金属屋根(ガルバ二ウム鋼板)を張ります。

今回使用した金属屋根(ガルバ二ウム鋼板)は「セランビー220」稲垣商事株式会社で販売している「平葺き」の屋根材です。

セランビー220は水下(軒先側)から捨て唐草にセランビー本体を先端を引掛けて張り始めます。

またジョイントの接手箇所は強度や雨仕舞に対応した造りになっていますので、雨漏りの心配も少ないです。

割り付けは建物の中心から左右に葺き分け互い違いに張るようにして水下(軒先)から水上(棟)に張り上がっていきます。

セランビー220は屋根の垂木(屋根下地)めがけてビス又は釘での固定になります。

現代は釘打ち機械で固定する職人も多いです。

セランビー220を張り終えたら、棟包みや隅包み板金の作業に移ります。

まず、仕上げ材の板金を取り付ける前に厚み13㎜から15㎜程度の貫材を取り付けます。

貫材は杉の貫材を使うことが多く、中には防腐処理をほどこした貫材もあります。

貫材を取り付けたら隅包み板金と棟包み板金を水下(軒先側)から被せていきます。

最後に棟包みと隅包みの取り合い部分をコーキングすれば完了です。

金属屋根(ガルバ二ウム鋼板)完了

金属屋根(ガルバ二ウム鋼板)完了

 

最後に金属屋根のメリット・デメリット屋根材の総重量のご説明をさせて頂きます。

屋根材の総重量

屋根材は大きく分けて、瓦屋根 カラーベスト(コロニアル) 金属屋根(ガルバ二ウム鋼板)とあります。

①瓦屋根・・・1㎡あたり約60㎏ (30坪の住宅の場合約6000㎏)

②カラーベスト・・・1㎡あたり約20㎏ (30坪の住宅の場合約2000㎏)

③金属屋根(ガルバ二ウム鋼板)・・・1㎡あたり約5㎏ (30坪の住宅の場合約600㎏)

 

金属屋根(ガルバ二ウム鋼板)のメリット・デメリット

(メリット)

①耐久性に優れている

ガルバ二ウム鋼板の耐用年数は25年~30年と言われています。

②耐久性に優れている

屋根の総重量を見てもわかるように金属屋根(ガルバ二ウム鋼板)は他の屋根材に比べるとかなり軽い為、

耐久性にも非常に優れています。

③断熱性に優れている

断熱性に関しましては使用する、金属屋根(ガルバ二ウム鋼板)により異なりますが、断熱材一体型

金属屋根(ガルバ二ウム鋼板)を使用すれば他の屋根材と比較して断熱性能を高め、しかも遮音効果も期待できます。

④屋根のリフォームが安易に出来る

瓦屋根とかは不可ですが、カラーベスト(コロニアル)屋根などの場合、カバー工法といい既存のカラーベスト(コロニアル)

屋根に被せることが出来る為、産業廃棄物の処分の削減、工期の短縮状況により費用対効果に繋がります。

 

(デメリット)

①コストが高い

金属屋根(ガルバ二ウム鋼板)はカラーベスト(コロニアル)屋根などと比べると材料費と施工費のコストが高い。

しかし、コロニアルの場合カバー工法が出来ない為、屋根を剥がす工事や既存の屋根の処分費、野地合板張り

などの工事がある為、施工費や材料費や工期もかかるので、一概には言い切れません。

②ガルバ二ウムは錆に弱い

ガルバ二ウム鋼板は金属系の屋根材なので湾岸の近くや森林の近くなどではあまりお勧めできません。

なぜかというと、潮風や落葉などが金属屋根(ガルバ二ウム鋼板)に触れると電食をおこし錆の原因になる恐れがあり、

屋根材に傷などがついた場合、そこから錆びる原因になります。

 

株式会社狩野建築の特徴

株式会社狩野建築は川崎市麻生区東百合丘に本社があり東京都町田市大蔵町に工事事業所がある地域密着の工務店です。

大手建築会社やハウスメーカーに比べるとかなり小さな建築会社ですが、代表自ら現役の大工職人で取引業者も長年の

付き合いのある、最も信頼のできる職人の集まりです。

御見積りも適正価格で御作りするので、余計な経費をかけず品質向上を目指しており,お客様にご満足して頂ける建物を

ご提供したいと常日頃精進しております。

弊社、株式会社狩野建築は一度ご依頼して頂いたお客様からのリピートも多く、お住まいに関してのお困りごとなど、

ご連絡を頂くことが多くとてもありがたい限りです。

御見積りもただお渡しするだけではなく、工事内容や工事の仕様を事細かくご説明をさせて頂き、お客様がご納得頂いてからの

御契約となりますので、ご安心してご連絡ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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