株式会社狩野建築です。
大切なお住まいを快適に安心して暮らすためには定期的なメンテナンスが必要です。
確かに建物をメンテナンスするにはそれなりの費用も掛かりますので躊躇する方も多いと思いますが、
雨漏りなどをしてからでは手遅れになり修繕費用がさらに掛かります。
(雨漏りなどで生じる被害や悪影響)
①構造体の劣化
構造体の劣化が生じます。
木造住宅などは特にそうですが、構造体がすべて木造なので柱や梁、土台などが腐食してしてしまいます。
酷い場合はネジや釘又は構造金物などが腐り建物自体の強度が低下してしまいます。
天井なども昔は釘で固定していた為、雨漏りで天井が濡れ天井材の強度がなくなり、天井が落ちる危険性もあります。
また、シロアリは湿った場所を好むのでシロアリ被害も生じる危険性もある為、さらに構造体を劣化させるという悪影響を及ぼします。
シロアリは床下からの侵入だけではなく、雨漏りをして木部が湿っていれば、屋根の梁の方にかたまっている場合があります。
②建物の資産価値の低下
雨漏りなどで建物の構造体(柱・梁・土台)などが腐食すると建物本体の耐震性が低い建物と見なされ築年数がそれほど経ってなくとも資産価値が下がります。
③室内にも被害が生じ健康的にも良くない
雨漏りをしてそのまま放置していると、お部屋の中や押入れ等の密封された空間などがカビ臭くなり害虫などが発生します。
また、そのような部屋で生活をしていると体にも良くありません。
エアコンやパソコン・テレビなどの家電の故障も生じやすく、収納している衣類や布団などにもカビや害虫が発生する恐れがあります。
④漏電や火災の原因になる
雨漏りによって外部から雨水の侵入があり、照明器具などに雨水が溜まったり、最悪の場合ブレーカーの中に雨水が入り
電気配線を伝わり銅線に雨水が触れると漏電になります。
最悪の場合、火災にもつながるケースがあります。
このような事が起こってからでは手遅れなので、定期的にメンテナンスをすることをお勧め致します。
(雨漏りの原因)
雨漏りの原因は経年劣化や施工不良によるものが多いいです。
①屋根の雨漏りの原因
1)瓦屋根の雨漏りの原因
1.瓦本体のズレに生じておきる雨漏り
台風や地震などの自然災害により、瓦本体がずれてしまいそこから雨漏りをするケースがあります。
これは経年劣化で瓦を固定している釘のゆるみや瓦を止めている銅線の亀裂などで起こるケースがあります。
2.瓦にひびが入り生じる雨漏り
屋根の上なので瓦が割れる事を想定出来ない方も多いと思いますが、例えばテレビのアンテナの調整などで
業者が屋根に上がることもあると思います。その時に誤って瓦を踏みひびが入る可能性もあります。
3.漆喰の剥がれにより生じる雨漏り
屋根瓦の漆喰は雨水を防ぐとても重要な役割をしています。
昔の瓦屋根は一般的に土葺き工法で施工していたため、漆喰は土の上から詰めていました。
その為、年数が経つとひびが割れ漆喰が剥がれることもあります。
2)スレート屋根の雨漏りの原因
ひび割れにより生じる雨漏り
ヒビや割れの原因は踏み割れによって生じる事が多いですが、アスベストの規制が強化され、2012年に禁止されてからスレート屋根材の耐久性が低下することにより、経年劣化で割れを生じるケースももかなりあります。
スレート屋根の反りにより生じる雨漏り
スレート屋根の重ね部分の反りにより水下から風などで吹き込んで雨漏りをするケースがあります。
この場合は、施工不良によるものもありますが、アスベストの切り替え時期に製造されたスレート屋根材自体に反りが生じるケースもあります。
結露により生じる雨漏り
スレート屋根を塗装する際、屋根材の重ね部分が塗装でくっついてしまうと屋根材の中で内部結露を起こし、室内に雨漏りの原因になります。
これを回避するには縁切りといい、塗装後乾いてからスレート屋根の重ね部分をカッターで切るか、塗装前に「タスペーサー」を挿入をします。
3)トタン屋根の雨漏りの原因
戸建て住宅のトタン屋根で一般的に多いのは「瓦棒葺き屋根」です。
「瓦棒葺き屋根」は屋根勾配がゆるい場合に取り入れる屋根工法の一つです。
屋根自体は瓦屋根やスレート屋根に比べるとかなり軽量なのですが、経年劣化により錆たりその錆の影響でトタン屋根に穴が開き雨漏りを起こすケースが多いいです。
(屋根のメンテナンス時期)
①瓦屋根のメンテナンス時期
和瓦などは新築で建ててから約15年頃から30年くらいの間にメンテナンスをすることをお勧め致します。
メンテナンスのポイントは瓦のズレや割れなどを確認して割れている瓦は差替え、また、棟瓦や隅瓦などの漆喰が
剥がれている場合は、棟の積み直しをお勧め致します。
積み直しの際、土葺き工法で施工していたら漆喰で詰めることにより棟のズレや雨仕舞も良くなります。
②スレート屋根のメンテナンス時期
スレート屋根は新築で建ててから約10年目頃にメンテナンスをすることをお勧め致します。
メンテナンスのポイントは屋根材のズレや割れなどを確認して割れている屋根材を差し替えたり、棟や隅の板金に錆がないかを
確認し錆びる前に錆止めを塗布し塗装をすることをお勧め致します。
ただし、アスベストの切り替え時期に製造されたスレート屋根材の場合、差替えは不可能です。
なぜかというと、スレート屋根の場合一枚一枚釘で固定している為、差替えの場合専用の釘抜きで釘を抜きますが屋根材自体に強度がない為
他の屋根材が割れる恐れがあるからです。その場合は屋根全面張替をお勧め致します。
また、屋根の美観を保つために塗装をするのもいいと思います。
皆さん勘違いをしている方も多いと思いますが、塗装をすることによりスレート屋根の寿命が延びるわけではありません。
スレート屋根は塗装をしなくとも耐用年数は25年~30年くらいあります。
塗装はあくまでも建物の美観を保つためにするものです。
ただし、塗装をする際に「縁切り」だけは必ずしなくてはなりません。
③トタン屋根のメンテナンス時期
トタン屋根は新築で建ててからメンテナンスを一切しない場合、10年~長くとも20年程度で寿命が来ます。
トタン屋根は亜鉛で出来ており、価格的にも安いく重さも軽い為お手頃の材料ですが、断熱性が低いです。
トタン屋根のメンテナンスは塗装をすることにより寿命を延ばすことは可能ですが、何度も重ね塗りを出来る資材ではありません。
ある程度塗装を繰り返したら屋根の葺き替えをお勧め致します。
(屋根の葺き替え方法)
①瓦屋根
瓦屋根は一度瓦をすべて剥がし、下地処理をします。
下地処理とは既存の野地板の上から厚み12㎜の野地合板を重ね張りすることです。
昔の屋根は杉板を野地板に使用していましたが増し張りをすることにより耐久性を増すことが出来ます。
野地板を張り終えたら、防水シートを貼り仕上げ材を張ります。
仕上げ材は建物にもよりますが、「瓦・コロニアル・ガルバ二ウム鋼板」などがあります。
②スレート屋根
スレート屋根の場合、施工方法が2パターンあります。
(施工方法その①)
既存の屋根材を剥がして野地合板を増し張りする方法
この場合は仕上げ材にコロニアルを張る場合などにします。
勿論ガルバ二ウムを張る場合にも対応できますが、ガルバ二ウムを張る場合は「カバー工法」をお勧め致します。
なぜかというとスレート屋根にはアスベストが混入している可能性があり処分費にかなりの費用が発生致します。
(施工方法その②)
既存のスレート屋根を剥がさずその上から防水シートを貼り「カバー工法」でガルバ二ウム鋼板を張ります。
この施工方法の場合はガルバ二ウム鋼板限定になります。
瓦やコロニアルでは対応不可です。
③トタン屋根
昔のトタン屋根の場合は「瓦棒葺き」が主流な為、屋根を剥がしてから野地合板を張り防水シートを貼った後にガルバ二ウムを張る事が一般的な
施工方法です。
「瓦棒葺き」の場合は勾配がゆるい場合に採用しますので、ガルバ二ウム鋼板の屋根材は「立平葺き」などが一般的に採用されます。
②外壁の雨漏りの原因
雨漏りは屋根からの雨漏りだけではありません。
外壁が原因となる場合もあります。
まずはじめに外壁から雨水が侵入しやすい箇所と簡単な応急的補修方法のご説明を致します。
(雨水が侵入しやすい箇所と応急的な補修方法)
①サッシ廻りからの雨漏り
(雨漏りの原因になる理由)
外壁材には大きく分けモルタルとサイデングに分かれています。サッシ廻りからの雨漏りはモルタルの場合はサッシ廻りのクラック(ひび割れ)による影響も少なくありません。
サイデングの場合はシーリング材が切れ、その隙間から雨水の侵入も考えられます。どちらも経年劣化で起きるケースが多いいです。
(応急的な補修方法)
サイデングの場合は現在充填されているシーリング材を撤去して新たにシーリングを充填をします。モルタルの場合はクラック箇所にグラインダーでUカットしてコーキング材を充填します。
②サイディングの目地
( 雨漏りの原因になる理由)
経年劣化でシーリング材が切れ、その隙間から雨水が侵入することが多いいです。
(応急的な補修方法)
現在充填されているシーリング材を撤去して新たにシーリングを充填をします。
③幕板からの雨漏り
(雨漏りの原因になる理由)
幕板とは建物の1階から2階との中間にデザインや上下の外壁仕様を変えるときに取り付ける帯の事を言います。その幕板の上部に雨水が溜まりやすくまた、幕板上部のシーリング材の劣化によるものが原因になります。
( 応急的な補修方法)
この場合の雨漏りは施工不良によるものも多いので、シーリング材を充填して雨水の侵入を防げるかわかりませんが、シーリング材を充填して様子を見るしかありません。なぜ施工不良かというと、本来幕板の上に水切りを取り付けておけば、幕板には直接雨水がかからず、幕板の上部に雨水が溜まることがありませんので雨漏りのリスクは減ります。
③ベランダの笠木
(雨漏りの原因になる理由)
ベランダなどの笠木はアルミ仕様と板金屋さんが作成する板金仕様の2種類があります。 アルミ仕様の笠木が雨漏りを起こす原因は15年以上前の建物でよく見られるのですが、笠木の上に手摺を取り付ける際、笠木の上からビスで固定していた為、そこから雨漏りの原因に繋がるケースがあります。この場合は施工不良になります。また、板金仕様の笠木は経年劣化の錆から雨漏りの原因に繋がるケースと新築で建物を建てる際に捨て板金を入れない場合に雨漏りを起こすケースが多いいです。 捨て板金とはベランダの手摺と壁の部分との取り合いで最も重要な役割をしています。壁と手摺の取り合い部分は雨水が侵入しやすい為、万が一雨水が侵入しても躯体が雨水で腐らないよう雨水を逃がす役割をしています。
( 応急的な補修方法)
アルミの笠木の場合はビスの頭にシーリング材を充填するしかありません。板金笠木の場合それほど劣化していない場合はシーリングを充填して塗装をした方がいいです。しかし、捨て板金をしていない建物は雨漏りを止めることは難しいです。これは、あくまでも新築当初からの施工不良です。
(外壁のメンテナンス時期)
外壁のメンテナンスは新築で建ててから10年が目安です。
外壁の劣化状況を見分け早めにメンテナンスをすることにより、大切なお住まいを長持ちさせ安心した生活を送ることが出来ます。
劣化したままメンテナンスを怠ると、のちに高額なリフォームをしなくてはならなくなる恐れがありますので、早めの処置を行うことをお勧め致します。
③ベランダの雨漏りの原因
ベランダの防水には大きく分け「FRP防水・ウレタン防水・シート防水」とあります。ベランダ・バルコニーは紫外線や雨水の影響や人の歩行などで劣化します。その為定期的なメンテナンスが必要になります。
ベランダからの雨漏りが原因で室内は勿論、ベランダの下の天井や最悪の場合、躯体まで腐食してしまう事があります。
ベランダの雨漏りの影響を受けた室内
ベランダの雨漏りの影響を受けた天井
このように、雨漏りが原因で他の箇所にも影響を及ぼし、安心して生活を送ることが出来なくなりますのでこまめなメンテナンスをお勧め致します。
(ベランダの雨漏りが起こりやすい原因)
①経年劣化で床にクラックが入る
ベランダやバルコニーは紫外線や雨水の影響をまともに受けることにより、床にひび割れなどを起こしそこから雨水が侵入するケースがあります。
(対処方法)
ベランダ・バルコニーのひび割れが気になり始めましたら、防水層を痛める前にトップコートを塗布することをお勧め致します。
②ドレン(排水口)のつまり
ベランダ・バルコニーのドレン(排水口)は落葉やゴミなどの影響で雨水が流れにくくなることがあり、また、流れないまま雨水が溜まることもあり、そこから室内に雨水が侵入するケースもあります。
(対処方法)
こまめにドレン(排水口)の掃除をすることをお勧め致します。
③ベランダの勾配がゆるい為、雨水の流れが悪い
これは、新築で建てたときの施工方法に問題がありますが、昔はベランダの床の勾配の事は細かく明記されていなかった為、勾配の緩いベランダも少なくありませんでした。しかし、今はベランダの勾配は1/50と表記されており、5メートルで10センチの勾配をとります。ただし排水口の勾配は1/100以上の勾配をとるよう表記されています。
(対処方法)
勾配が緩い場合の対処方法は正直難しいです。例えば掃き出し窓やドアなどが設置している場合、ベランダの床と掃き出し窓の段差は120㎜以上とるよう表記されているので、それ以上の高さがあれば勾配を直すことは可能ですがほとんどそのようなことは無いでしょう。
(ベランダ・バルコニーのメンテナンス時期)
ベランダ・バルコニーのメンテナンスの時期は新築で建物を建ててから約10年が目安です。屋根と違い紫外線・雨水の影響もありますが、物をのせたり人が歩くため他の箇所よりも痛みは早いので手遅れになる前に早めのメンテナンスをすることをお勧め致します。
(株式会社狩野建築の特徴)
弊社、株式会社狩野建築は川崎市麻生区に本社があり、工事事業所は東京都町田市にあります。弊社は新築注文住宅からリフォーム全般を一括して請け負い施工することが可能な工務店です。勿論、外壁塗装・屋根葺き替え工事・防水工事も致しますので、安心してお任せください。