【川崎市 麻生区】ベランダ雨漏り調査依頼、現場経験豊富な現役大工の修繕方法とその解説!

 

ベランダの雨漏りの調査依頼を頂いたのは、川崎市麻生区にお住いのT様邸です。

建物の種別は木造軸組み工法(在来工法)の2階建て築年数は25年程度の建物です。

外壁はサイディングでベランダの防水はFRP防水でした。

ベランダの床面積は7.2㎡、排水ドレンは床排水が2カ所ありました。

調査依頼を頂いてT様邸にお伺いしたら、道路側に面している天井が落ちていて下地が腐食している状態でした。

ベランダの雨漏りの主な原因カ所

①床や壁にヒビ割れが生じている。

経年劣化で床や壁にヒビ割れなどが生じそこから雨水が侵入して雨漏りを起こす場合があります。

②排水ドレンの詰まりによるもの

ベランダの排水口は風などで運ばれてきた砂埃や落葉などが溜まりやすくこまめに掃除しないと、雨水の流れを妨害することになり、排水口に雨水が流れにくく雨漏りの原因に繋がる。

③笠木の原因によるもの

笠木とはベランダの手すりの上に被せてある板金の事ですが、その板金の笠木の上に手摺を付ける為、笠木の上からビスで固定しているケースも良く見られますが、これも雨漏りの原因に繋がります。

 

排水ドレン

排水ドレンはベランダの雨漏りの原因になりやすい部位です。

排水口の蓋がゴミや砂埃、コケなどで塞がってしまうと排水口に雨水が流れにくくなり、ベランダの床に雨水が溜まります。

雨水が溜まっても床の勾配がとれていれば少しずつは雨水は流れますが、その状態が続くと排水ドレンの周りの床が腐食して雨漏りの原因となり、ひどい場合は床が抜ける恐れもあります。

 

排水ドレン

床の排水口の蓋を取った状況です。

排水口と蓋の受け皿に10㎜程度の隙間があります。

排水口の中にゴミが詰まり流れにくい状態や大雨などでオーバーフロー現象が起きた場合、この隙間から雨水が侵入する恐れがあります。

 

 

笠木

笠木も雨漏りの原因となる部位の一つです。

本来板金の笠木は横から釘で止めています。(現在はビスで止める事が多いです)

笠木を止めている釘も年数が経つにつれ釘が緩み浮いてくるケースも少なくありません。

しかし、これが雨漏りの原因になることはありません。

雨漏りの原因となる箇所は建物本体との取り合いの壁が多いです。

新築で建物を建てる時、笠木は本来最後に施工します。

その為、ベランダの笠木と建物本体の壁の取り合いの防水処理に下地の段階で捨て板金を入れます。

捨て板金を入れてから防水シートを被せることで雨漏り被害から建物を救うことが出来ます。

この作業を行わず外壁の仕上げ材を張ってしまうといくら直しても雨漏りを止める事が難しいです。

また、笠木の下には空間がある為、大雨や台風などで吹き込んで雨水が侵入するケースもありますが、決して笠木の下はコーキングなどをしてはいけません。

笠木の中が蒸れる原因にもなり、また雨水が侵入した際に雨水が笠木の中から排出できない為、下地の腐食にもつながります。

 

 

手摺

板金の笠木の上に手摺を付けるのも雨漏りの原因に繋がります。

後付けの手摺の場合、手摺を固定するには笠木の天端からビスなどで固定する方法しかありません。

本来笠木とは雨などが建物内に侵入しない為に被せるものなので、一番雨のかかる天端に直接ビスで穴を開け固定してはいけません。

やむを得ず取付ける場合はコーキングをして防水処理は必ずすることです。

 

コーキングの亀裂

サイディングの場合、サイデングのジョイント箇所に変性シリコンのコーキング材を充填しますが、経年と共に劣化をしていきます。

劣化と共にコーキングに亀裂が入り建物内に雨水の侵入経路をつくることになります。

雨漏りで腐食したベランダ状況

雨漏りをした室内の様子

 

ベランダの天井の修繕方法

木造軸組み工法のベランダの構造は建物の室内側から横架材を跳ね出すことにより、柱を立てることなく跳ね出すことが出来ます。

一般的に910㎜間隔に跳ね出すことが多いです。

雨漏りが酷く跳ね出している横架材が腐食してしまうとベランダ自体の強度が弱くなりかなり危険な状態になります。

今回の場合、横架材が腐食していましたが補強が出来る範囲内で強度的にも問題はありませんでした。

横架材の補強をして、天井下地を組み天井ボードが張れる状態にしました。

 

 

 

天井張り

下地を組み終わり天井を張ります。

天井材は厚み8㎜のケイカル版を使用し、長さ38㎜のステンレスビスで5㎝間隔のピッチでビスを打ち天井材のケイカル版を張っていきます。

 

塗装工事

天井張りが完了し塗装工事に入ります。

塗装工事もいきなり外壁を塗るわけではありません。

下地工事から入ります。

ベランダの下の天井のジョイント部に「パテ」を打ち、サイデングの接手のコーキングを撤去します。

撤去が終わり、コーキングが余計なところに付かないようにマスキングテープを貼ります。

この作業がとても重要で大変な作業になります。

マスキングテープが貼り終わり、コーキングの密着性を高める為、プライマーを塗布します。

プライマー塗布後オープンタイムをとりコーキングの充填作業に入ります。

コーキングにも大きく分け「シリコン」「変性シリコン」「ウレタン」とありますが、外壁塗装に使用する場合は「変性シリコン」を使います。

 

変性シリコンを使用する理由

①シリコンコーキング

主に使用する箇所はキッチン廻りや浴室・洗面所などの室内の水回りやガラス廻りのコーキングに使用することが多いです。

シリコンコーキングを充填する際にはプライマーは不要です。

シリコンコーキングは塗装を弾き塗装することが出来ないので外壁には使用してはなりません。

しかし、防水性はあります。

②変性シリコンコーキング

主に使用する箇所はサイディングの目地や笠木・外壁などです。

変性シリコンコーキングを充填する際にはプライマーは必須です。

変性シリコンコーキングは塗装をすることが出来、防水性があるので外壁には最適です。

ただし、室内の水回りやガラスなどには使用不可です。

③ウレタンコーキング

主に使用する箇所は軒天井やベランダの天井などの隙間を埋めるために使用することが多いです。

ウレタンコーキングを充填する際にはプライマーは必須です。

ウレタンコーキングは塗装が乗りやすいのですが、防水性がない為、軒天井などの雨のあたりにくい所に使用することが多いです。

 

 

コーキング・パテなどの下地処理が終わり塗装工事に入ります。

塗装工事は一般的に3回塗りをします。

1回目下塗り

下塗り材は外壁に塗布する塗料の密着性を高める為、シーラーを塗布します。

2回目中塗り

中塗りは上塗りと同じ材料で塗布します。

3回目上塗り

最後3回目の上塗りで塗装を仕上げます。

塗装工事の必要性

建物の塗装は建物本体の美観を保つことは勿論ですが、建物を紫外線や雨水などから守る役割もしています。

外壁を指でこすると白い粉のようなものが指に付く事がありますが、これを「チョーキング現象」といい、チョーキング現象が見られたら塗装をすることをお勧め致します。

 

防水工事

現状のベランダの防水はFRP防水でした。

防水前はベランダの床に苔が発生して排水ドレンも詰まっている状態でした。

しかし、ベランダの造りとしては勾配もとれており、掃き出し窓の下も120㎜程度の立ち上がりがありますので、申し分ない状態でした。

 

FRP防水完了

修繕前のベランダの床がFRP防水でしたので、今回もFRP防水で仕上げました。

雨漏りの原因となっていたドレンには「改修ドレン」といい現状のドレンより一回り内径の細いドレンを差し込み解消することにしました。

FRP防水とはどのようなものか

FRP防水とは、塗膜防水ののことで液状の不飽和ポリエステル樹脂の硬化剤を混合し、ベランダの床にガラス繊維の補強材と組み合わせて一体化させるため、仕上がりは継ぎ目がなく優れた防水性能が期待できます。

FRP防水のメリット

①高い防水性が期待できる

RRP防水は浴槽などにも使用されており、かなり水密性が高いです。

②強度がある

耐荷重性や耐摩擦性に優れています。

③工期短縮

ベランダの広さにもよりますが、一般的な木造住宅などのベランダの場合、2日程度で終わります。

FRP防水のデメリット

①匂いが気になる

FRP防水特有の臭気を発生し、施工時には特に異臭として感じられる事がある。

FRP防水の寿命

防水塗膜としての耐用年数は10年程度ですが、ベランダが設置されている場所の条件次第では25年程度までもつ場合があります。

5年周期でトップコートだけでも塗布しておけば、防水層を痛めることなく防水自体の寿命をもたせることが出来ます。

  

 

 

株式会社狩野建築の対応可能工事

(新築注文住宅)

・木造在来工法(在来工法) ・木造軸組み工法(ツーバイフォー) ・軽量鉄骨造

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 *弊社で測量から登記も御対応できます。

(解体工事)

・木造在来工法(在来工法) ・木造軸組み工法(ツーバイフォー) ・軽量鉄骨造 ・鉄筋コンクリート造

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